メタボリックシンドロームに関連した脂肪肝のお話
メタボリックシンドロームに関連した脂肪肝のお話
脂肪肝をお持ちの方は年々増加しており、特にメタボリックシンドロームや肥満と関連した脂肪肝が世界的に増えています。以前は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:ナフルディー)と呼ばれていましたが、糖尿病や脂質異常、高血圧、全身性炎症との関連も注目されており、2024年から代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD:マッスルディー)と呼び方が変わりました。進行して代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH:マッシュ)を来たすと肝硬変へ進行していく場合があり、注意が必要です。
肝臓に炎症が起こり線維化(肝臓が硬くなる状態)が生じると肝硬変の原因となるため、線維化の程度を評価する様々な方法が考案されています。
当院では、年齢と血液検査結果を組み合わせたFIB-4 index(フィブフォー・インデックス)と腹部超音波検査を用いたShear Wave Measurement(SWM)、Attenuation Imaging(ATI)の測定を行っています。FIB-4 indexとSWMは肝臓の硬さの評価、ATIは肝臓の脂肪量の評価が可能です。肝臓の状態を数値化することができるため、現在の状態やその後の改善度合いを客観的に見ることができます。
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ症状が出にくい臓器ですので、定期健診・定期検査を続けていくことをお勧めします。
監修:桜上水消化器内視鏡・呼吸器内科広瀬クリニック
副院長 廣瀬雄紀